アルツハイマー型認知症(AD)

概要

  • 認知症をもたらし疾患の中で一番患者が多い病気です。
  • 脳の神経細胞が減り、脳が小さく萎縮するため、 新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなる、重度では、物盗られ妄想や、徘徊などの症状が現れます。
  • 急激に進行するものではなく、徐々に進行する病気です。

原因

タウたんぱくやベータたんぱくなどの異常なたんぱく質が脳にたまり、神経細胞が死に脳が萎縮。記憶を担っている海馬という部分から萎縮が始まり、徐々に脳全体に広がります。

症状(加齢によるものとは違う)

アルツハイマー型認知症の特徴

  • 例えば食事したことなど、体験したことそのものを忘れる
  • 記憶力だけでなく計算力や判断力も低下する
  • 自分の物忘れについて理解できない
  • 認知力の低下から日常生活に支障をきたす

MCI(軽度認知障害)の特徴

  • 認知症の前段階
  • 同年代の人と比較して物忘れが多いが、その自覚は(時々ではなく)常にある
  • 体験したことは憶えているが、詳しい内容をよく(すぐに)忘れる
  • 日常生活では困ることはあるものの、独立して生活することは可能

老化による物忘れの特徴

  • 体験の一部を時々忘れる
    (食事をしたことは覚えているが、食べたメニューを思い出せないなど)
  • 物忘れを自覚している
  • ヒントがあれば思い出せる
  • 日常生活に支障をきたすほどではない

※経過中に「BPSD(行動・心理症状)」の無為・無関心、妄想、徘徊、抑うつ、興奮や暴力などの症状が現れることがある。

治療法

  • 現在、アルツハイマー型認知症を元の状態に戻す治療法はありません。
  • 本人が快適に暮らしと、家族や介護者の負担を軽くすることが治療の目的となります。
  • 主な治療には、感情や興味を刺激し心の安全をはかる『非薬物療法』と、アルツハイマー型認知症のお薬による『薬物療法』があります。

薬の副作用

ドネペジル
ガランタミン
リバスチグミン
吐き気・嘔吐
食欲不振・下痢
イライラ・興奮・攻撃性
メマンチン ふらつき・眠気・頭痛
血圧上昇・便秘・食欲不振