腰椎すべり症

加齢的変化で椎間関節が破壊されていたり、あるいは無理な姿勢を腰に強要していると腰椎のずれが出現します。この腰椎が前方へずれる状態を腰椎すべり症といいます。

腰椎すべり症には腰椎変性すべり症と腰椎分離すべり症がありますが、病態は分離の有無にかかわらず年齢的な変化が基盤となって、年とともに変性が進行し、次第にすべり症が発生すると考えられます。

高齢者の変性すべり症はほとんどといっていいほど腰部脊柱管狭窄症を伴っており、変性すべり症のある椎間関節はほとんどが変形、破壊されているので、すべり症は腰椎椎間関節の老化に伴う破壊性の変化と考えられています。よって、外科的治療は椎間関節に多少でも影響のある腰椎椎弓形成術だけでなく、神経の除圧の後に、破壊された椎間関節を固定するために腰椎固定術を選択することが多くなります。